ロシア旅行(8)

※ロシア旅行(8)-2004.9.27-

織物の間から、「玉座」の間へと移って行く。 流石、玉座
の数々は誠に素晴らしい。 権威の象徴なので当然の事
かも知れない。 それらの中で、一際目を惹くのは、「ダイ
ヤモンド玉座」である。

ダイヤモンド玉座

 この玉座は、アルメニア(トルコの東隣)の貿易会社によ
 り、自由貿易の交渉のため、アレクセイ・ミハイロビッチ
 (ロマノフ王朝2代目皇帝・在位1645~1676)に献上
 されたものである。 1659年、イスファガンにて製造さ
 れたもので、玉座は、金のすかし模様入りと、銀の薄板
 で覆われ、なかにはエメラルド、ルビー、トルコ石、800
 個以上のダイヤモンドで装飾が施されている。

玉座に続いて、王冠のコーナーがあるが、ロシアにとって
貴重な遺品である。 ロシアには国宝という制度なないと
思うが、まさに国宝級の数々である。 その内でも、最も
有名な展示品は、「マノマーフの帽子(皇冠)」である。

マノマーフの帽子・皇冠(13世紀末~14世紀初期)

 この貴重な皇冠は、キエフ大公がビザンチン帝国のコン
 スタンチヌスから、家系のつながりの確証として贈られた
 ものであるという伝説がある。

 年代記によると、17世紀には、イワン3世の孫、ドーミ
 トリーが大公の称号を継承した際に、マノマーフの皇冠
 がゆだねられたと記されている。 明らかに、この儀式
 はモスクワの権力とロシアの国力を強調するものである。
 
 15世紀末より、17世紀末まで、ロシアの全君主は、マ
 ノマーフの皇冠のもと、王国に対し誓いを行った。

人目を最も惹くのは、展示コーナー、上段左端の「アンナ
女王の冠」であろう。

アンナ女王の冠

 アンナ女王(在位1730~1740)は、ロマノフ王朝第
 4代ロシア皇帝で、イヴァン5世の娘である。 ピヨトー
 ル2世の死去に際して皇帝の座に就いた。

 珍しい中国の尖晶石である赤ルビーやダイヤモンドが
 ちりばめられている。

 1721年、ロシアは帝国として宣言し、これに伴い王国
 への宣誓の形式は、当時の西洋風に、戴冠式へと代え
 られた。

玉座・武器庫・クレムリン・モスクワ

8-01

紋章・双頭の鷲

8-02

宝石がちりばめられた玉座

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ダイヤモンド玉座

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皇帝ミハイル・ロマノフの玉座

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玉座

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上段左端は女帝アンナの王冠、下段中央がマノマーフの帽子(皇冠)

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